薬剤師の勉強法には、研修会や資格取得のほかに本を読むという方法があります。この記事では、薬剤師のスキルアップ・キャリアアップにおすすめの本を紹介します。実践的な知識が身に付く本、患者さんが抱える疑問を解決するのに役立つ本、薬剤師のキャリアアップに役立つ本をチェックしていきましょう。
薬剤師が本を読んで勉強することのメリット
薬剤師のスキルアップ・キャリアアップといえば、研修会への参加や資格取得という方法もあります。ただし、本を読むことで下記のようなメリットを得られます。
- 最新の情報や信頼性の高い情報がまとめられおり、理解しやすい
- セミナーや研修会に参加するための時間と費用を節約できる
- マイペースに読み進めながら、知識を深められる
現場では得られない情報や体系的にまとめられた知識を習得したい場合、本を読むと理解が促されるでしょう。研修会や資格取得と比較すると、本を読む場合は時間の融通がつきやすい勉強法であることもメリットです。次章からは、薬剤師におすすめの本の詳細情報を紹介します。
薬剤師のための実践的な知識が身に付く情報書
現場で役立つ実践的な知識が欲しい薬剤師におすすめの書籍です。疾患に関する知識、薬効などに関する情報を学習できます。
『薬局』 南山堂
臨床現場で働く薬剤師のための知識やスキルがまとめられた月刊誌です。各号ではその月のテーマに合わせて、疾患や調剤に関する知識、現場で起こりうるケースと対処法などを解説しています。
- 書籍名
- 『薬局』
- 出版者
- 南山堂
- 発行年月
- 毎月5日発行
- 価格
- 2,200円(税込)※増刊号・臨時増刊号を除く
- ISNN
- 0044-0035
『薬効別 服薬指導マニュアル 第10版』 株式会社じほう
67の薬効群ごとの服薬指導に必要な情報をまとめた情報書です。服薬指導は「患者向け」と「薬剤師向け」に対応してそれぞれ記載。第10版の特徴は、主要な薬効に「薬物治療の確認と指導のポイント」を新たに掲載した点です。疾患の全体像と薬物治療のポイントがさらにわかりやすくなっています。
- 書籍名
- 『薬効別 服薬指導マニュアル 第10版』
- 出版者
- 株式会社じほう
- 発行年月
- 2022年6月
- 価格
- 7,260円(税込)
- ISBN
- 978-4840754415
『今日の治療薬 解説と便覧 2022』 南江堂
臨床で使われる医薬品について、薬効群ごとに解説と便覧が付けられた情報書です。2022年版の巻頭トピックスには「COVID-19ワクチン」「ここ10年の糖尿病治療薬の進歩」「腎性貧血治療薬の新展開」の3点が掲載されています。便覧には「Briggs Drugs in Pregnancy & Lactation」に掲載された妊婦への薬剤投与に関するリスク分類を表すマークを追加されているのも特徴です。
- 書籍名
- 『今日の治療薬 解説と便覧 2022』
- 出版者
- 株式会社南江堂
- 発行年月
- 2022年1月
- 価格
- 5,060円(税込)
- ISBN
- 978-4-524-23211-6
患者さんの疑問に答えたい薬剤師におすすめの本
患者さんやお客さんと接していると、薬に関する質問にどう答えようか悩むこともあるものです。市販薬や漢方薬に関する本など、患者さんが抱きやすい疑問に答えるための本を紹介します。
『クスリ早見帖ブック 市販薬730 改訂2版』 南山堂
市販薬の最新情報がまとめられた情報書です。初版で掲載されていた内服薬と漢方製剤に加え、外用薬に関する情報も記載されました。患者が服用した市販薬の成分特定に活用でき、重複処方や副作用、ODを回避することに役立つでしょう。
- 書籍名
- 『クスリ早見帖ブック 市販薬730 改訂2版』
- 出版者
- 南山堂
- 発行年月
- 2021年4月
- 価格
- 3,960円(税込)
- ISBN
- 978-4-525-77782-1
『完全版 医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』 日経BP
著者である幸井俊高氏が厳選した103の漢方処方について、処方の基礎知識や処方の特徴を解説した書籍です。複数の症例を挙げながら、個々の患者に適した漢方薬の選び方や使い分けを丁寧に教えてくれます。漢方を扱う病気や薬局、ドラッグストアで働く薬剤師におすすめです。
- 書籍名
- 『完全版 医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』
- 出版者
- 日経BP
- 発行年月
- 2020年7月
- 価格
- 6,380円(税込)
- ISBN
- 978-4296106936
『ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50』 日経メディカル開発
保険調剤薬局に勤務する薬剤師が、仕事に役立つ臨床論文50本を紹介する書籍です。臨床試験の内容や流れが一目で分かる「ビジュアル・アブストラクト(ビジアブ)」を使用し、スムーズな理解を促す構成となっています。薬効や副作用などの知識のほか、患者さんからの質問に答えるための対応力も身につくでしょう。
- 書籍名
- 『ビジアブで読み解く! 薬剤師の仕事に役立つ臨床論文50』
- 出版者
- 日経メディカル開発
- 発行年月
- 2019年10月
- 価格
- 3,520円(税込)
- ISBN
- 978-4931400948
薬剤師のキャリアプランに役立つ本
薬剤師としてのキャリアプランに悩む人におすすめの本を紹介します。自分以外の薬剤師がどんなキャリアプランを描いているのか、どんな悩みを抱えているのかなどを考える参考にしてください。
『これが私の薬剤師ライフ 6年制卒50人がキャリアを語る』日経BP
6年制の薬学部を卒業して薬剤師の道に進んだ、20~30代の薬剤師50人の実体験をまとめた書籍。本書に登場する薬剤師の勤務先は、薬局、ドラッグストア、病院、大学、企業など多岐にわたります。実体験を参考に学ぶことが多く、自身のキャリアプランを考えたい薬剤師や薬学部生におすすめです。
- 書籍名
- 『これが私の薬剤師ライフ 6年制卒50人がキャリアを語る』
- 出版者
- 日経BP
- 発行年月
- 2022年4月
- 価格
- 2,860円(税込)
- ISBN
- 978-4296112012
『病院薬剤師のための スキルアップ×キャリアアップガイド 学びと評価の指標』株式会社じほう
国立病院機構が作成した「国立病院機構薬剤師能力開発プログラム」をもとに、病院薬剤師のキャリアアップや自己研鑽の指標、ノウハウがまとめられています。取り上げられているキャリアステージは、新人薬剤師から中堅薬剤師、マネジメント能力が求められる薬剤部科長まで長期にわたりますので、各ステージにおける目標設定の参考におすすめです。
- 書籍名
- 『病院薬剤師のための スキルアップ×キャリアアップガイド 学びと評価の指標』
- 出版者
- 株式会社じほう
- 発行年月
- 2021年2月
- 価格
- 6,050円(税込)
- ISBN
- 978-4840753418
『客に選ばれる薬局づくり -地域で活躍する“次世代薬剤師”へのエール』薬事日報社
製薬会社勤務やカフェ経営の経験を持ち、“患者と医療をつなぎより良い医療の実現を”を理念に活動する『患医ねっと』の代表を務める鈴木信行氏による著書。これからの時代の薬局・薬剤師に向けて、患者さんのためになる薬局作りのヒントが提案されています。先駆的な取組にチャレンジしている薬局の事例なども紹介されていますので、薬局の経営に興味がある薬剤師におすすめです。
- 書籍名
- 『客に選ばれる薬局づくり -地域で活躍する“次世代薬剤師”へのエール』
- 出版者
- 薬事日報社
- 発行年月
- 2020年1月
- 価格
- 6,050円(税込)
- ISBN
- 978-4840815147
おわりに:薬剤師のスキルアップ・キャリアアップに本がおすすめ
薬剤師のスキルアップ・キャリアアップに役立つ本は多く発売されています。現場での実践や研修会参加、資格取得などと組み合わせながら、自分を成長させていきましょう。
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