薬剤師の転職は厳しい?育児中の薬剤師が転職を成功させるポイント

育児が落ち着き復帰のために転職先を探している女性薬剤師 キャリア形成

転職を成功させることで年収アップやプライベートの充実を叶える人がいる中、薬剤師の転職は厳しいと言われています。この記事では育児や出産をきっかけに転職を検討する薬剤師に向けて、薬剤師の転職事情や転職成功のためのポイントを解説します。

転職で解決できる薬剤師の悩み

従来と比べると転職にチャレンジする人が増えてきています。薬剤師でも転職する人は少なくありません。年齢や経験を重ねるにつれて、ライフスタイルが変化したり新しい目標ができたり、現在の職場や担当業務に関する悩みが発生することもあるでしょう。

転職をすることで、次のような悩みが解決することがあります。

転職で解決できる悩み
  • 人間関係のトラブルから解放される
  • 労働条件や労働環境がより良くなる
  • 収入が上がる
  • 福利厚生が充実する
  • 残業が減る
  • 休日出勤がなくなる など

転職をすれば必ず悩みが解決できるというわけではありませんが、転職によるメリットを得られる薬剤師もいます。一方で、昨今は薬剤師の転職が厳しい状況にあるとも言われています。

薬剤師の転職が厳しいといわれるのはどうして?

薬剤師の転職が厳しいと考えられるのは、次の要因が関係しています。

薬剤師の転職が厳しくなった理由
  • 薬剤師の数が増え、薬剤師の飽和が予想されている
  • 製薬会社が新薬の開発を控えるようになり、採用人数が減っている
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で、2021年に薬局の倒産数が過去最多となった

上記のことなどが影響し、薬剤師の転職は以前と比べると厳しくなってきているといえます。ただし薬剤師も働き方の多様化が進んでおり、ライフスタイルやキャリアプランによっては転職を検討する薬剤師もいます。特に、出産や育児をきっかけに転職を考える薬剤師もいるでしょう。次章からは、出産や育児をきっかけに転職を考えている薬剤師のために、転職を成功させるポイントを解説していきます。

出産・育児で取得できる産休と育休の違いとは

まずは法律で定められている産休・育休について確認していきましょう。産休と育休の大きな違いは、産休は女性だけが取得できる点です。育休は男女どちらも取得することができます。

産前産後休業(産休)とは
  • 出産予定日の6週間前(産前休業)から産後の8週間まで(産後休業)に休暇を取得できる制度
  • 女性は任意で取得することができるが、男性は取得不可
  • 希望者が会社に請求することで取得できる
育児休業(育休)とは
  • 産後休業が終わった翌日から子どもが満1歳になる誕生日の前日までの希望する期間について、会社に申し出ることにより休暇を取得できる制度
  • 男女共に取得可能
  • 取得のためには雇用期間など所定の要件を満たす必要がある
  • 保育園入園ができなかった場合など、延長が認められることがある(最大2年まで)

上記が、法律で定められた産休と育休の概要です。このほか、所属する会社が独自に休暇制度を設けていることもあります。産休や育休を取得後、仕事復帰を考える薬剤師も多いでしょう。その時に転職という選択肢も出てきます。復職にせよ転職にせよ、育児中の薬剤師にとって働きやすい職場であるかどうかを考えることが大切です。

薬剤師にとって育児しやすい職場の特徴

勤務している会社や転職を検討している会社が育児しやすい環境かどうかは、次のポイントをチェックしてみてください。

育児しやすい職場の特徴
  • 土日休みが取りやすい
  • 残業が少ない
  • 薬剤師の在籍数が多い(急な休みに対応してもらいやすい)
  • 時短勤務制度やフレックスタイム制度を設けている
  • 育児に理解があり、協力体制が整っている
  • くるみんマークを取得している

くるみんマークを取得した企業は、厚生労働大臣によって子育てサポート企業として認定されています。くるみんマークを取得するには、一定水準以上の育児休業取得や時短勤務制度の設置、男性の育児休業育休取得率≧10%などの認定基準を満たさなくてはいけません。

薬剤師が育児しやすい職場環境については、こちらの記事も参考にしてください。

薬剤師が転職を成功させるためのポイント

産休や育休を取得したり休暇が長期化すると、転職が難しくなるのではないかと不安になることもあるでしょう。転職が成功する薬剤師と転職が成功しにくい薬剤師とでは、どのような違いがみられるか解説します。

転職が成功しやすい薬剤師の特徴

転職が成功しやすい薬剤師には、次のような特徴が見られます。

  • 調剤経験がある
  • 認定薬剤師の資格を取得している
  • かかりつけ薬剤師の資格を取得している
  • 管理薬剤師や店長の経験などマネジメントスキルがある
  • 在宅医療に対応できる
  • コミュニケーション能力が高い

転職が成功しにくい薬剤師の特徴

転職が成功しにくい薬剤師には、次のような特徴が見られます。

  • 転職回数が多い(3回以上が目安)
  • 薬剤師としての専門性があまり高くない
  • 給与や労働条件の理想が高過ぎる

転職でネガティブに捉えられる特徴があったとしても、その理由や事情を面接できちんと説明することができれば、必ずしもマイナス評価につながるわけではありません。ただし満足度の高い転職を実現するためには、転職が成功しにくくなる特徴を減らし、成功しやすい特徴を増やすのがおすすめです。スキルや経験を習得していることに加え、自分の強みを面接でアピールできるかどうかも重要となります。

育児と仕事の両立!派遣とパートどちらのメリットが大きい?

育児中の薬剤師は、正社員としての転職ではなく派遣薬剤師やパート薬剤師として働くことにメリットを感じることもあります。派遣で働く薬剤師とパートで働く薬剤師とでは、収入や労働条件が異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、どちらがご自身のライフスタイルや希望する条件に合っているかを考慮し、働き方を決めるのがおすすめです。

まず収入面の違いですが、パート薬剤師と比べると、派遣薬剤師の方が高い収入が見込めます。派遣薬剤師の時給は2,000円以上~3,000円前後が相場です。パート薬剤師の時給は2,000円~2,500前後が相場ですが、地域や企業規模によっては2,000円以下の場合もあります。もちろん相場以上の時給の職場もありますので、この限りではありません。

それでは派遣薬剤師とパート薬剤師の労働条件の違いについて詳しく解説していきます。

薬剤師が派遣で働くメリット

薬剤師が派遣で働くと、次のようなメリットが得られるでしょう。

派遣薬剤師のメリット
  • 時給が高い傾向がある
  • 社会保険や有給など会社の福利厚生を受けられる
  • 契約更新のタイミングで労働条件の見直しが可能
  • 相談次第では派遣先の職場を変更できる
  • 派遣として働いた後に正社員またはパートとして直雇用されることがある

派遣社員として働くには、まず派遣会社に登録するところから始まります。一般的に派遣会社への登録には書類審査や面接が必要です。派遣薬剤師の時給はパートよりも高い傾向がありますが、高いスキルや専門性が求められることが多いでしょう。派遣会社に登録後は、各職場に派遣されて働くようになります。派遣期間は、最短1か月からが目安です。時短勤務制度やフレックス制度のない企業で働く正社員と比べると、時間の面で子育てしやすくなります。

ただし、派遣は安定的な雇用であるとはいえません。契約が更新されなかった場合は、新しい職場を探さなくてはなりません。また、派遣社員では管理職などへのキャリアアップは難しいのが現状です。

薬剤師がパートで働くメリット

薬剤師がパートで働くと、次のようなメリットが得られるでしょう。

パート薬剤師のメリット
  • 週2回、週3回など短時間勤務が可能
  • 休暇を取りやすい
  • ブランクがある薬剤師が働きやすい

パートは無期雇用ですので、派遣のように契約が更新されないという状況が発生しにくいのがメリットです。パート薬剤師は、基本的には異動や転勤がありません。時間の自由度が高い職場で長期的に働きたい場合、パートで働くことにメリットを感じるでしょう。産休・育休明けにフルタイムで働くことに不安がある人は、まずはパートで復職するのもおすすめです。

ただし派遣薬剤師や正社員と比べると、パート薬剤師の時給は安い傾向が見られます。勤務時間が短いことから、社会保険や福利厚生などの加入条件を満たさない場合があることにも注意しましょう。

転職エージェント活用で満足度の高い転職が可能

正社員、派遣、パートのいずれの転職を目指すにしても、望み通りの職場に採用されるためには準備が必要です。

転職を成功させるためのコツ
  • 資格取得でスキルを明確にアピールする
  • 面接対策を十分に行う
  • 転職エージェントを利用する

転職活動ではまず、履歴書など書類審査が一次関門です。採用担当者に「この薬剤師に会ってみたい」と思ってもらえるように、これまでの経験や習得しているスキルをしっかりと記載しましょう。

面接対策も重要です。どんな質問がされるかを想定し、志望動機や自己アピールを交えた回答ができるように準備してください。面接は双方のミスマッチを回避するための機会でもありますので、希望する職場や企業に対する質問を用意することも大切です。働きながらの転職活動や育児をしながらの企業分析などは、時間と労力の関係でスムーズに進めることが難しい場合もあります。就職活動や転職活動を成功させるためには、転職エージェントを活用することがおすすめです。履歴書の書き方や面接対策、自己分析などをサポートしてくれます。

病児保育・ベビーシッターの活用が子育て中の助けになる

就職先が見つかった場合も、お子さんの急病などの対策を用意しておくと安心です。たとえば病児保育やベビーシッターの利用について確認しておきましょう。

病児保育の種類と利用法

内閣府HPによると、病児保育は大きく分けて次の3種類があります。

① 病児対応型・病後児対応型
地域の病児・病後児について、病院・保育所等に付設された専用スペース等において看護師等が一時的に保育する事業
② 体調不良児対応型
保育中の体調不良児について、一時的に預かるほか、保育所入所児に対する保健的な対応や地域の子育て家庭や妊産婦等に対する相談支援を実施する事業
③ 非施設型(訪問型)
地域の病児・病後児について、看護師等が保護者の自宅へ訪問し、一時的に保育する事業

病児保育を実施しているのは、特別区を含む市町村です。病児保育に関する詳細や問い合わせはお住まいの自治体に確認してください。自治体によっては、病児保育を利用するために事前登録が必要な場合もあります。

ベビーシッターの利用法

ベビーシッターとは、親に代わって乳幼児や子どもの保育や教育をサポートするサービスです。主に、民間のベビーシッター派遣会社から派遣されるベビーシッターやフリーランスのベビーシッターなどに依頼します。ベビーシッターは依頼者の自宅や勤務先などに出向き、子どもの保育などを行います。

幼稚園教諭や保育士など子育てに関連する有資格者がベビーシッターをしていることもありますが、無資格でもベビーシッター業を行うことは可能です。トラブルを防ぐという観点から、ベビーシッターを利用するときは下記の項目を意識しましょう。

  • 情報収集をして、信頼できるベビーシッターを探す
  • 保育料の安さだけでなく、ベビーシッターの経験なども確認する
  • 悩んだときは市町村の窓口に相談する
  • 実際に利用する前にベビーシッターと面接する
  • 事業者名、ベビーシッターの氏名、住所、連絡先を確認しておく
  • 依頼するベビーシッターの身分証明書を提示してもらう
  • 自治体等に事業者としての届け出を出しているか確認する
  • 有資格者の場合は登録証の確認をする
  • 保険に加入しているか、その内容や金額を確認する
  • ベビーシッターに預けている間、子どもの様子を電話やメールで確認する
  • 緊急時を想定し、ベビーシッターとの連絡体制を整えておく
  • 預かり終了後、子どもがどんな様子だったか報告してもらう
  • 不満や疑問が生じた場合は、派遣事業者や自治体等にすぐ相談する

おわりに:働きやすい職場への転職は可能!エージェントなどを活用しよう

薬剤師の転職成功へのイメージは湧いてきましたか?特に出産や育児を控えている薬剤師や子育て中の薬剤師にとって職場選びは大切です。現在の働き方に不安や悩みを抱えている場合は、より働きやすい職場環境を得るために転職を検討してみてはいかがでしょう。

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